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代表的な皮膚病(1)

2021.01.27(水)

代表的な皮膚病  獣医皮膚科認定医 山本真紀子(皮膚科のnoteへ)

症状;痒い・赤い・フケが多い・発疹がある・毛が抜ける

 

1.膿皮症

 

ざっくりと解説!

細菌、主にブドウ球菌の感染による皮膚病です。

でも!人へは通常感染しません。重い持病を抱えた方や、免疫抑制剤による治療を受けている方などはご注意ください。

 ・・ブドウ球菌は犬も人も普通に持っている“常在菌”です。どこにでもいる細菌が何らかの原因がきっかけで、表皮内に侵入し、炎症を引き起こします。

 

背景になる原因

 

アレルギー性の皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、食餌アレルギーなど)

内分泌疾患(ホルモン性の病気)

などの背景が代表的ですが、今までの治療法や日頃のケア、食餌内容なども関係していることがあります。

 

症例)マルチーズ、他の病院でいくつもの抗生物質を試されても治らないとのことでした。感受性試験を実施して、適切な抗生物質を選択して治療しました。(それまで使われていた抗生物質は効いていないことが分かりました。)

*最近では巷に多剤耐性(多くの種類の抗生物質が効かなくなっている)のブドウ球菌が溢れています。このような場合、なるべくならシャンプーなどの外用療法をお薦めしますが、この子はかなり酷くて、治療歴も長く、飼い主さんも疲弊していたために、早めに適切な抗生物質による治療を行うという方法にしました。その後長きにわたり再発はみられませんでした。

 


マルチーズ、背中、治療前の様子


治療後
患部には膿疱(左)や、円形の赤い発疹とフケ、脱毛がみられるのが特徴です。痒みも伴います。

 

治療

第一には、菌を抑制する効果のあるシャンプー剤や塗り薬、患部の消毒で治療すべきとされています。

全身に広がっている場合、悪化傾向が強い場合などは抗生物質の内服による治療を行います。

繰り返す場合、治りにくい場合は背景疾患を一緒に探しましょう。

 

他のよく似た皮膚病

・ニキビダニ症

・皮膚糸状菌症

・落葉状天疱瘡

・多型紅斑

・皮膚型リンパ腫

など