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薬の副作用による皮膚障害、約2年半で1064件報告

2004.08.07(土)

http://www.asahi.com/national/update/0729/025.html
↑アサヒ・コムからの引用です。リンクが切れてしまっているので、全文を引用します。悪しからず。

 

市販のかぜ薬を含む様々な薬の副作用で、皮膚がただれて失明したり死亡したりすることもあるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS、皮膚粘膜眼症候群)が、01年4月から03年10月末までの2年7カ月の間に1064例報告されたことが29日、厚生労働省のまとめでわかった。
 SJSは1922年に米国で発見された疾患で、抗生物質や痛風、てんかん治療薬など様々な薬の副作用で、100万人当たり年間1~6人発症するとされている。
 報告のうち、かぜ薬などの市販薬が58例含まれていた。また、今回報告された事例に関係があるとみられる成分は283成分だった。702例は症状が軽くなったが、106例が薬とのかかわりによって死亡、ほかに後遺症や未回復の例もある。
 同省は、過去の2回のまとめに比べて発生の傾向に大きな違いはないとしたうえで、「赤い発疹が広がる症状が出たら、服用をやめ、皮膚科に受診してほしい。医師も経験することが少なく、症状が出たら投与をすぐにやめるなどの対応が重要だ」と強調している。
(07/29 19:21)

 

《コメント》

どんな薬でも「副作用の無い」薬は無い。これは「漢方薬」だろうが「健康食品」だろうが、同じことである。だからと言って、薬を毛嫌いして何でも「自力で治す」と言う考え方が良い、ということではないだろう。「自然治癒力」というフレーズは、ときとして「まやかし」である。ただ、「風邪は風邪薬では治らない」というのは、医学的知識のある人達にとっては半ば常識である。つい昨年も呼吸器学会がまとめた所謂「風邪」に関するガイドラインの中でも、「風邪薬は殆どの風邪には効かないので、安易に飲むべきではない」ということをはっきりと言っている。殆どの風邪が、ウイルスが原因で起こるのだから、抗生物質など効くわけが無いのは自明であるが、実際にはいまだに多くの医療機関で、安易に無駄な抗生物質が処方され続けているのだろう(もちろん動物病院でも!)

「てんかんの薬」や「通風の薬」など、有効性が期待できるのならそれに見合うリスクを背負うことも仕方が無いだろうが、風邪薬に対する抗生物質や解熱剤など、無駄なことが明らかでなおかつリスクだけが存在する場合、これらの薬を服用するのは単に危険なだけの行為である。

不要な薬物は、できるだけ口にしないのが懸命だということだろう。しかし、どれが『必要』で何が『不要』なのかを見極めることが、実際には難しいのかもしれない。