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「マイナスイオン商品」根拠なしも、都が文書指導

2006.11.30(木)

読売新聞 <http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061128i303.htm?from=main3>

 

《以下引用》

 「細胞を活性化させ、心に安らぎをもたらす」「たばこや排ガスを浄化し、空気をきれいに保つ」――。こんな「マイナスイオン」効果をうたったインターネット広告に、科学的根拠がないものが含まれているとして、東京都は7業者に対し、景品表示法を守るよう指導した。

 マイナスイオン商品は数年前から、健康志向に乗って市場を拡大。都は表示に問題がありそうな布団やネックレス、空気清浄器など8商品を選び、業者に資料の提出を求めた。

 業者側は「材料のトルマリンからマイナスイオンが発生する」などと説明したが、都で分析したところ、商品の仕組みと合致しない実験データを示していたり、ネット上で見つけた数値を根拠なく引用したりしていて、広告内容には裏付けのないことが判明。都は27日に文書で指導した。

 こうした商品の中には数十万円もするものもあり、都消費生活総合センターなどには昨年度までの5年間で計400件の相談があった。都は「科学的な説明に見えても、うのみにしないで」と呼びかけている。

(2006年11月28日11時10分 読売新聞)

 

《コメント》

「いまさら・・・。」という感がないでもありませんが、残念なことに、いまだに「マイナスイオン」を売りにしている商品が巷に溢れているのが事実です。「ニセ科学シンポジウム」のところでも書きましたが、「水」という物質を専門的に研究している物理学者でさえ、「マイナスイオンとは何か」と言うことについて、「まだきちんと定義されていない」と言っています。「マイナスイオンとは何か?」ということが、まだ判っていないのです。マイナスイオン関連製品の売り文句の中には、「陰イオン」と混同しているような記述もたくさん見られます。「負に帯電した水滴がたくさんある」=マイナスイオンが豊富、という訳の解らない記述もよくあります。滝のそばなど、細かい水滴=霧の多い場所が「カラダに良い」とすれば、それは湿度のためであって「マイナスイオン」を持ち出す必要はありません。空気中のゴミなども、水滴により地面に落ちるため、空気が綺麗になるかもしれませんが、これも「マイナスイオン」とは無関係です。滝や噴水、加湿器によっては、セラチア菌やレジオネラ菌などで汚染された水が霧状に漂っているような場合には、むしろ危険性が高まることもあります。

「マイナスイオン」の定義が科学的にはっきりしない以上、これが「カラダに良い」とか「健康に良い」などという、信憑性のある報告というのは「無い」ということになりますが、これを差し引いて考えても、「体験談」の域を出るものは見当たりません。
因みに、以前にここでも紹介した「誇大広告を見破るための9か条国立健康・栄養研究所)にもありますが、「体験談」ばかり載っているような健康食品の類は、それだけで「怪しい」と思った方が安全です。

これに良く似た「水」モノで、最近はやりの水に「活性水素水」と呼ばれているものがあります。「活性水素水」に関しては「こちら」をご覧下さい。
アルカリイオン水」とか 「活性水素水」とか、 とかく日本では様々な怪しげな「水商売」が成り立っています。水の結晶のことを書いた「疑似科学」の本が話題になったこともありますが、かなり大きな社会問題として捉えるべき「大問題」ですが、何故かいまだに学校などで子供たちに配られているそうです・・・子供たちの未来がとても心配です。