ブログ・コラム|大田区の動物病院なら、動物病院エル・ファーロ

  • 大田区・動物病院エル・ファーロ・電話
  • 大田区・動物病院エル・ファーロ・メニュー

2004.09.25(土)

● ストレスとは?

「現代はストレス社会だ」などという台詞をよく耳にします。「ストレス」という言葉を聞かない日がないくらい、この言葉は日常的なものとなっています。あらゆる病気が「ストレス」によって起こるとされ、まるで「悪者」の代表のように忌み嫌われているのが現状のようですが、では「ストレス」とは一体どのようなものを指すのでしょうか?
実は「ストレス」の定義は様々で、医学的に定まったものは無く、極めて抽象的な曖昧な言葉なのです。もともと「ストレス」という言葉は工学用語で、「金属に対して加えられた外力によって生じた歪みを元に戻そうとする応力」のことを言います。そしてこの「工学用語」を医学の分野で初めて使用したのが、カナダの病理学者のハンス・セリエ(1935年)です。セリエの「ストレス学説」によると、「ストレス」とは「外界からの侵襲に対して生体が適応する際の生体メカニズム」のことだそうです。そしてこの「ストレス」を引き起こす要因となる外的侵襲のことを「ストレス要因」、または「ストレッサー」と呼んだのです。
ここで「あれ?」と思われた方もいることでしょう。そうです。本来「ストレス」というのは「外的侵襲により引き起こされる歪み」に対する「適応メカニズム」のことであって、「歪み」そのものを指す言葉でないのです。従って、例えば「仕事での人間関係が上手くいかない」とか「恋愛のことで悩みがある」とか、「超多忙で心身が疲れる」とか、これらは全て「ストレッサー」であり、これらの刺激に対して体が「頑張ろう」とする適応反応を「ストレス」と呼ぶということになります。そして、「ストレッサー」による侵襲が、この適応反応の守備範囲を越えた場合に、頭痛や胃痛や、その他様々な症状を現して、「体を休めなさい」という警告を発するのだと考えられます。
ですから、「ストレスが溜まる」というような言い回しは、本来正しくないということになります。「ストレスの無い生活」というのはつまり、「適応反応を欠いた生活」ということであり、これでは生体が「生きて行く」ことができなくなります。
しかし、このように揚げ足を取ってばかりいても仕方がありません。日常的には、本来「ストレッサー」と呼ばれるべき外的侵襲や、これにより引き起こされる「歪み」そのものを「ストレス」と呼んでいるのが現状です。話がややこしくなってもいけませんので、ここではひとまず、現在一般的に使用されている語法、つまり「有害な外的侵襲」としての「ストレス」という言葉を採用し、以下のお話を進めることにしましょう。

 

● ペットにストレスが溜まるとどうなるのか?

ストレスが溜まる、つまり正確に言えば「ストレッサーによる刺激を受け続ける」ということですが、これは一体どのような変化を体にもたらすのでしょうか?
前出のセリエは、ストレスに対する生体適応反応により引き起こされる体の変化を「適応症候群」と名付け、さらにそれを「局所適応症候群」と「一般適応症候群」の2つに分類しました。そして「一般適応症候群」は更に3段階に分けられています。
細かく説明するとちょっと難しいのですが、簡単に言うと…
外的侵襲を受けると生体はまず、軽いショック状態となり、次いでこれに適応する為に血圧や体温を上げたり、副腎皮質ホルモンを分泌したりするようになります(第一期:警告反応期)。そして暫くは、この緊張状態が継続します(第二期:抵抗期)。よく「仕事が忙しいと気が張って風邪をひかない」などと言うことがありますが、この状態です。そしてこれを放っておくと、急激に抵抗力が低下して、体が悲鳴をあげ始める(第三期:疲憊期)、ということです。
人間の場合は、ストレスを引き起こす「ストレス要因」を、物理的要因、心的要因などに分類しています。犬や猫にとっては、生活環境の変化というのは非常に大きな「心的ストレス要因」となります。具体的には、引越し、家族構成の変化(結婚、出産など)、新しいペットの飼育、旅行に連れていく、ペットホテルに預ける、近所の騒音、家族(飼い主)の心理的変化やストレス状態、などが挙げられます。またお正月などに「親戚の子供達におもちゃのようにして触られる」などというのも、よくあるストレス要因です。
そしてこれらのストレス要因により様々な症状が引き起こされますが、特に犬で頻繁に見られる症状としては、下痢や血便、嘔吐などの消化器症状でしょう。また大型犬に多いと言われる「胃捻転・胃拡張症候群」も、ストレスにより引き起こされる傾向があります。また猫では、嘔吐や涎をダラダラ垂らすなどの消化器症状、血尿、膀胱炎などの泌尿器の疾患が発生することがよくあります。その他、抵抗力が低下することにより、肝臓病や各種の感染症、糖尿病などの内分泌疾患、腫瘍性疾患を引き起こす可能性があると考えられます。

 

● ストレスをためない為にはどうすればいいのか?

「ストレスは有害なもの」と仮定してここまでお話して来ました。しかし、本当にそうでしょうか?野生動物の場合、例えばライオンなどの肉食動物が獲物を見つけたとき、それを捕まえるために体が「狩の準備」をします。つまり、心拍数と血圧が上昇し、筋肉が緊張し、血糖値も上がるのですが、これが「ストレス」と呼ばれる状態の本来の姿です。獲物となったシマウマの方にも同様な反応が現れます。これはつまり、逃げる為に必要な「準備」です。このような「ストレス」は、動物が生きる為に必要なものです。
ストレスが全く無い状態とは、どのようなものでしょうか?人間で行われたある心理実験では、被験者が80~90時間、音も光も無い「無ストレス状態」に置かれると、ストレッサーに対する抵抗性を失って、色々な外的刺激に対して無力になってしまったそうです。また、産まれたばかりの赤ん坊を「無ストレス状態」で育てた実験(13世紀のお話です。酷い実験もあったものです。)では、赤ん坊全員が死亡してしまったそうです。
このように、ストレスは人間や動物が生きていく上で、ある程度必要なものであると言うことが出来ます。例えば盲導犬や介助犬が街で仕事をしている状態、しつけ教室などで訓練を受けているときの犬の状態は、軽いストレスを受けていると考えられます。徐々に慣らされた場合には、このような軽度のストレスが問題になることは殆どありません。しかし、過度なストレスは生体に有害な反応を起すことがあります。「ストレスを溜めない」とは、言い換えれば「過度なストレスによる有害反応を防ぐ」ということです。では、そのためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょう?
神経質で臆病な性格の動物は、必要以上のストレスを感じるようになってしまいます。来客の際に吠える犬は、チャイムが鳴るたびに毎回ストレスを受けているのです。また爪切りや耳掃除が大嫌いな犬は、家や病院でこれらの行為をする度に大騒ぎとなり、自身も多大なストレスを受けることになります。犬にとって特に有害となるストレスの主な共通点は「恐怖」や「不安」です。「恐怖」や「不安」を避けるには、その原因となるような行為を「しないこと」が原則ですが、しかし来客や留守番、病院での治療行為など、人と共に生活する上で必要な事柄も少なくありません。従って、これらの行為に対して必要以上の恐怖感や不安感を抱くことが無いように、小さな頃から順応させるような「しつけ」をすることが重要と言えるでしょう。あまりに病的な場合には、専門家による行動療法が必要な場合もあります。
猫の場合は、なるべく複数で飼育しないことが重要です。猫は本来、単独で生活する動物なので、複数で飼育する場合には必ず、それぞれの縄張りを尊重してあげること、できれば別々の部屋で飼うこと、食餌の場所やトイレは必ず別々にすること(お互いの顔が見えないようにすること)が大切です。特に、相性の悪い猫同士を一緒に飼っているような場合、猫にとっては非常に大きなストレスを受けることになりますから、家に新しい猫を導入するような場合には細心の注意が必要です。

2004.09.13(月)

今回は以前から疑問に思っている「動物用シャンプー」に関する疑問を述べたいと思います。動物用シャンプーと言っても、シャンプーをする動物は主に犬なので、「犬用シャンプー」と言い換えても良いでしょう。
犬の皮膚のpHはヒトのそれとは異なり、弱アルカリ性だと言われています。本当にそうなのか?という疑問もあるのですが(犬の皮膚表面のpHを調べた文献はそれ程多くは無いため、根拠にはいまひとつ乏しい気がする)、そこから疑いだすと話が先に進まないので、とりあえずここまでは信用するとしましょう。
人のボディソープやハンドソープなどの業界では、暫く前から「弱酸性」ブームであることは周知の事だと思います。「人の肌は弱酸性、だから洗剤も弱酸性がお肌に優しい」と言われて、誰もが疑うことなく「その通りだ」と信じてしまっているようです。このような人たちに、「人の肌は弱酸性、同じpHの洗剤で洗うと肌に良くないので、弱アルカリ性がお肌に優しい」と言ってみたらどのような反応をするでしょうか?やっぱり「その通りだ」と信じてしまうのではないでしょうか?要するに、「それらしい宣伝文句」を使われれると何となくその気になってしまうものなのです。
これに関しては、以下のサイトが参考になります。
http://www.live-science.com/honkan/qanda/body10.html

つまり、「酸性」だろうが「アルカリ性」だろうが、洗剤はもともと肌に良くないので、必要最小限の汚れを落としたらきれいさっぱり洗い流した方がよい、というのが基本的な考え方です。汗や皮脂は酸性なので、弱アルカリの「石鹸」などで洗浄した場合、石鹸の界面活性効果は中和されて失活してしまうため、皮脂や角質を必要以上に取り去る事が無く、結果として皮膚に優しい、という事のようです。ところがこれを「弱酸性」のボディソープで洗うとどうなるかと言うと、同じ酸性どうしのため中和されないので、洗剤の界面活性効果は皮膚の表面で長時間作用してしまい、本来必要な皮脂や角質まで取り去ってしまう危険性がある、という訳です。この考えは、確かに一理ある、と思います。
で、これは犬でも全く同じように考えられる訳で、弱アルカリ性の皮膚を弱アルカリ性の洗剤で洗った場合、洗剤の界面活性効果はいつまでの残るため、皮脂や角質を必要以上に取り除いてしまう危険性がある、と考える事も出来ます。
しかしながら、動物用シャンプーのメーカーは何れも、「犬の肌は弱アルカリ性なので、シャンプーも弱アルカリ性が良い」と、当然の如く宣伝しているのが現状です。しかしなぜ「その方が良い」のか、誰も教えてくれません。とにかく「同じ方が良いに決まっている」ことになっているようです。
昔から、「ヒト用のシャンプーを犬に使用してはいけない」と言われ続けてきました。確かに、弱アルカリ性の石鹸を犬の皮膚に使用するのは、あまり良いことではないのかも知れません。しかし、弱酸性のボディソープ全盛の現在では、むしろヒト用の弱酸性洗剤を犬に使用する方が安全なのかもしれない?などと考えたりもしています。

 

どなたか、私の長年の疑問を解消してくださる奇特な方はいらっしゃらないでしょうか?

 

注意1 アレルギーや脂漏症など、特定の皮膚疾患を持っている動物ではそれぞれに応じた薬用シャンプーを使用すべきです。ヒト用のシャンプーは決して使用しないでください。

注意2 上記内容は、あくまで私個人が普段の診療で感じている疑問を紹介したに過ぎません。決して「犬にヒト用のシャンプーを使用する」ことを推奨している訳ではありませんので、これを実施して問題が起きたとしても私が責任を負うことは出来ませんのでご了承ください。

2004.08.22(日)

「獣医師の役割」とはひと言で言って何でしょうか?「動物の病気を治すこと」でしょうか?それとも「動物を何が何でも生かすこと」でしょうか?もちろん、獣医師の「仕事」は、病気の動物を診療して、診断して、治療することです。ですから、全ての動物の病気を「治す」ことが出来れば、言うことは何もありません。でも、中には現在の獣医療の水準では「治せない」病気もまだまだあります。またヒトと同様に、生きている動物は必ず寿命を迎えます。どうしても治らない病気に出会ったとき、あるいは老衰で動物が亡くなってしまったとき、獣医師は「役目を果たすことが出来なかった」ということになるのでしょうか?

 

牛や豚など、いわゆる「産業動物」の診療に携わっている獣医師の場合は、対象動物が病気になったとき、「病気を治すこと」だけではなく、経済的に採算が合うのかどうか、という「生産者の利益」まで判断に含めて診療を行います。例えば、乳牛が乳癌になっても乳房を切除することはありません。牛乳が出なくなってしまったら、乳牛の経済的価値がなくなってしまうため、お金をかけて治療する意義がないからです(余程血統が良ければ、繁殖用にする、ということもあるかもしれませんが・・・私は牛の診療はしたことが無いのでよく判りません)。

 

これに比較して、小動物:ペットの診療と言うのは、基本的に採算性は考える必要はありません。「ペットショップで10万円で買った犬だから、10万円以上の治療は受けさせない」なんて言う酷い(!)飼い主はいないでしょう(いないと信じてます)。そういう意味では、小動物の獣医療と人間の医療は、類似した性格を持っていると言ってよいでしょう。ですから、ここで「命題」にした「獣医師の役割」とは、広い意味では「医療提供者の役割」と言い換えることが出来ます。

 

 

では、「医療提供者」の究極的な役割、とは何でしょうか?

 

私は、ひと言で言うならば、それは「情報提供」だと考えています。もちろん手術もしますし、薬の処方もします。しつけの相談も受ければ食餌の相談をされることもあります。しかし、手術にしても病気や薬の説明にしても、一番大切なのは「正しい情報を提供すること」ではないでしょうか?例えば、一般的な手術であれば、「なぜこのような手術が必要なのか」「手術をしないとどのようなリスクが生じるのか」「手術をした場合のリスクはどのようなものがあるのか」「術後の生存率はどのくらいなのか」「手術以外の治療にはどんな方法があるのか」など、出来る限り詳細で正確な「情報提供」を、飼い主(ヒトの場合は患者自身)にすることが、これからの医療では非常に大切になってきます。ある手術を、「手術屋さん」というような「手術専門」の外科医に任せてしてもらった場合には、この外科医が行っているのは総合的な意味での「医療行為」ではなく、「医療技術の提供」である、と言うことが出来ると思います。もちろんこれが「悪い」と言っているわけではなく、ただ手術を行うだけでは「片手落ちである」ということを理解して頂きたいと思います。

 

私の知人の獣医師の一人は、「獣医師の究極的な役割は、動物を病気にさせないことだ」と言っていました。これもひとつの考え方ですし、否定するつもりはありません。しかし、では一体どうやったら「病気にさせない」ことが出来るのか?というのもひとつの「情報」だと思います。残念ながら、全ての動物を「病気にさせない」ことは、現実には不可能です。もしも病気にさせてしまったら、それは獣医師が役割を果たさなかった、ということになるのでしょうか?多分そうではないでしょう。「病気にさせないこと」は、「役割」というよりは、「理想」あるいは「目標」のようなものと言うべきでしょう。

 

インターネットなどのお陰で、私たちの周りは様々な「情報」で溢れかえっています。動物の病気や健康に関連した情報も、ネットで検索をかければたちどころにいろんな情報を入手することが出来るようになりました。中には非常に役に立つものも沢山あります。しかし、○○は体に良い、■■は良くない、××を飲んだらどんな病気でも治る、△△でアトピーが治った、◎◎で癌が治った・・・。このような「商品販売」を目的としたような、信憑性のない「情報?」もまた少なくありません。私達「(獣)医療提供者」には専門家として、これら玉石混淆の「情報」の中から、どれが「正しい」情報で、どれが「間違った」情報で、どれが「怪しい」情報なのかを、科学的・論理的に判断して、飼い主(患者)に開示する、という役割があると考えます。

 

幾ら高価な道具・機器があっても、それを有効活用し診断・治療に結びつけ、より良い結果を生むためには、「正しい情報」が必要です。インフォームドコンセント、インフォームドチョイスとは、「正確な情報提供」なしには実践できません。そして、莫大な量の「情報」を整理して有効に利用する能力が、(獣)医療提供者にとって、今後ますます重要になってくるに違いありません。

2004.08.07(土)

毎日新聞 2004年7月16日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20040716k0000m040152000c.html

 

《以下引用》

 健康食品として人気を呼んでいる「にがり」について、独立行政法人国立健康・栄養研究所(東京都新宿区)は、「にがりのダイエット効果に根拠はない」とする注意をホームページで流し始めた。にがりを多量に摂取すると下痢を起こすので体重は減るかもしれないが、一時的な水分の減少に過ぎないという。 また、にがりの過剰摂取で心肺停止を起こし救命救急センターに搬送されるケースもあった。にがりは海水を濃縮して塩を除いた残留物で、塩化マグネシウムが主成分。豆腐を作る凝固剤として使われている。 同研究所によると、塩化マグネシウムに「糖の吸収を遅らせる」「脂肪の吸収をブロックする」などのダイエット効果があるという情報が目立っている。しかし、確実な根拠はないという。 同研究所の梅垣敬三健康影響評価研究室長は「減量効果がないからといって量を増やして飲むと危険だ。利用目的や摂取量には十分注意してほしい」と訴えている。 また、東京都立墨東病院救命救急センター(墨田区)には、昨年暮れ以降、急性マグネシウム中毒による心肺停止などの患者が2人、搬送された。70代男性は便秘改善の目的で家族から少量のにがり摂取を勧められたが、ペットボトル容器に入っていたため約100ミリリットルを誤って飲んだという。40代女性もペットボトルの半分近くを一気に飲み、心停止寸前で搬送された。いずれも人工透析などで一命をとりとめた。浜辺祐一救命救急センター部長は「ごく少量を飲むにがりを、ペットボトルのような容器に入れることは適切ではない」と話している。
(平成16年7月16日 毎日新聞)

 

《コメント》

にがりを適量飲んでも死ぬことは無いが、過剰に摂取すると心肺停止を起こす危険性があるという記事です。「過剰摂取」とは言え、ペットボトルに入った「にがり」を誤って一気に100ml程度飲んだだけで、マグネシウム中毒で「心肺停止」というのはかなり怖いですね。十分に「毒物」と言えるでしょう。しかし、本来「数滴」服用すべきものを、100mlも一気に飲んでしまったのか、そこが不思議な点でした。そしてつい先日、近所のドラッグストアの「健康食品」の棚に並んでいる「にがり」を見て、「あぁ、これは飲んでしまうかもしれない」と思ったのでした。まるで「お茶」や「ミネラルウォーター」と見分けが付かないような、普通のペットボトルに入っているのです(初めて知りました)。今(少し前?)はやりの「海底深層水」だと言われれば、そう思ってしまうようなパッケージ。あれは間違えて風呂上りにでも一気飲みしてしまう人がいたとしても、不思議ではないな、と思ったのでした。

ところで、マスコミなどでは散々「健康に良い」とか「痩せる」とか、はたまた「花粉症が治る」などという”怪しい”情報で持て囃されていた「にがり」ですが、実のところどうなんでしょうか?

毎度お世話になっている「国立健康・栄養研究所」では、「にがり」に対してこんな注意を喚起しています。予想通りというか、「痩せる」という効果には何の科学的根拠もデータもない、ということでした。もしあるとすれば、下痢による脱水で体重が一時的に減少するだけのようです。これは「サウナで痩せる」というのと同じ発想です。「サウナ」も、脱水による体重減少が主な効果ではないかと思います。

2004.08.07(土)

[時事通信社]2004/7/29
http://news.fs.biglobe.ne.jp/social/jj040729-X686.html

リンクが削除されているので、記事を以下に引用します。

 

 『国内未承認の医薬品成分「シブトラミン」を含む中国製ダイエット用健康食品「V・L21(ヴィーナスライン21)」を摂取していた岩手県内の女性(30)が今月4日に死亡していたことが29日、分かった。同県などが発表した。このダイエット食品と女性死亡の詳しい因果関係は不明だが、宮城・岩手両県は薬事法に基づき、同食品を輸入販売していた仙台市の業者などに販売中止と回収を指示した。
 岩手県環境保健研究センターが検査した結果、V・L21からは1カプセル当たり0.14~0.86ミリグラムのシブトラミンが検出された。シブトラミンは海外では肥満症治療の医薬品として承認されているが、国内では未承認で、血圧上昇や心拍数増加などの副作用があるという。』 

 

《コメント》

中国産の健康食品やサプリメント、輸入漢方薬ではこのような事故が絶えません。国立健康・栄養研究所でも、このように注意を呼びかけています。⇒「中国製ダイエット食品からまたも医薬品成分を検出
健康食品や輸入漢方薬などが全部危険だ、と言うわけではありません。中には確かな製品もあるでしょうし、それなりに有効性が証明されているものもあることでしょう。しかし、それらのものを見分けることは一般の人にとっては非常に困難です。「健康食品」は法的には「食品」とされているため、医薬品のような規制がありません。また、漢方薬は日本では「医薬品」とされていますが、海外では多くの場合「サプリメント」扱いで、普通のドラッグストアに売っています。従って、誰でも比較的簡単に輸入することができてしまうのです。このような輸入品の中には、今回のように、医薬品成分を含んだような「悪質」な製品も含まれています。「痩せたい」「健康になりたい」という一般の人たちの気持ちに付け込んだ、今回のような違法行為は、許されるべきではありません。

1 7 8 9 10 11 12 13